Williams症候群の神経生理学的研究
下記論文のアブストラクトは岡崎国立共同研究機構生理学研究所のホームページに掲載されています。第5回 生理
学研究所研究会(日時:平成13年11月28日(水)午後 〜 11月30日(金)、場
所:岡崎コンファレンスセンター)でのテーマの一つです。
(2002年1月)
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Williams症候群の神経生理学的研究
中村みほ1)2)、金桶吉起1)、渡邊一功3)、柿木隆介1)
1) 国立共同研究機構 生理学研究所
2) 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
3) 名古屋大学医学部 小児科
Williams症候群は心血管系の異常、特異な顔貌、精神発達遅滞などの症状を有する症候
群で、認知能力のばらつきが大きいという特徴がある。中でも、視覚認知においては、
顔、色、などの認知に対し、視空間認知に劣ることから、背側経路の障害の関与が指摘
されている。ただし、背側経路の機能のひとつである動きの認知については、一部の
Williams 症候群患者においては心理物理実験で健常者と変わりない結果を示すものも報
告されている。われわれは、典型的な視空間認知障害を示し、動きの刺激に対する心理
物理的反応も健常者と変わりない、13才男性のWilliams 症候群患者の協力のもと、
RDK(random dot kinematogram)による動きの刺激に対する反応を脳磁図を用いて検討し
た。その結果、健常成人とほぼ同様の潜時で、V5/MT野に相当する部位に反応がえられた。
これにより、本症候群における視空間認知障害は、背側経路の中でも動きの認知に関わ
る部分の障害によるものではなく、その他の部位の障害である可能性が示唆された。
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