ウィリアムズ症候群の人々は顔を全体的に認識している



People with Williams syndrome process faces holistically.

Tager-Flusberg H, Plesa-Skwerer D, Faja S, Joseph RM.
Boston University School of Medicine, Boston, MA, USA
Cognition. 2003 Aug;89(1):11-24.

本研究はウィリアムズ症候群の青年及び成人47人と、年齢を一致させた対照群39人に対して、顔認識課題を実施しその成績を比較した。田中らによって開発された全体−部分パラダイムを用いた結果、ウィリアムズ症候群の参加者の全体成績は対照群に比べて低いものの、各検査条件における成績は両者が同じパターンを示すことがわかった。正立した顔においては、部分を使ったテストに比べて全体を使ったテストのほうが両者ともに有意に成績が高いが、倒立した顔ではその傾向は見られない。正立した場合のみ顔全体を使ったほうが成績が良いという結果は、ウィリアムズ症候群の人々が正常な対照群と同様に顔を全体的に分析し認知していることを強く支持しており、その基盤となる神経認知メカニズムも同じであることを示唆している。この発見は、ウィリアムズ症候群の人々の顔認識処理が普通とは異なっているというこれまで発表されている報告内容と相違している。

(2003年8月)



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