ウィリアムズ症候群における錯覚による輪郭認知のERP異常



ERP abnormalities of illusory contour perception in Williams Syndrome.

Grice SJ, Haan MD, Halit H, Johnson MH, Csibra G, Grant J, Karmiloff-Smith A.
Centre for Brain and Cognitive Development, School of Psychology, Birkbeck College, University of London, Malet Street, London WC1E 7HX Neurocognitive Development Unit.
Neuroreport. 2003 Oct 6;14(14):1773-7

ウィリアムズ症候群は視空間認知能力に問題がある遺伝子病である。理論家は高次処理の障害が原因であり、低次の視覚処理は正常であるだと張している。我々はこの主張を調査するために、この臨床グループがKanizsaの錯覚四角形(illusory Kanizsa squares)をどのように認知するかを調査して、低次処理、知覚完成(perceptual completion)面を検査した。その際、知覚完成における神経の相互関連を調べるために、事象関連電位(event-related potentials)を測定した。被験者たちは錯覚的な輪郭を知覚できているにもかかわらず、正常な知覚とまったく同じ状態を示す彼らの神経相互関連は、対象群とは異なっている。この低次視覚処理の違いが高次視覚処理の発達に多大な影響を与えている可能性がある。これまでの主張とは異なり、ウィリアムズ症候群における低次視覚認知を司る神経処理機構は異型であるという結論に達した。

(2003年10月)



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