キアリ奇形 I 型(脳の異常)
ウイリアムス症候群の子供の親から出された下記のような質問に対して、ウイリアムス症
候群の研究をしている医師が答えたものです。ウイリアムスの人が慢性的な頭痛を訴える場合
は、この病気を疑う必要がありそうです。脳外科や神経科で相談をして見てください。キアリ
奇形 I 型(Chiari Type I malformation) についても、簡単な概説(我々素人にはとっては
簡単ではありません)がホームページにありましたので添付しました。(1997年5月)
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[ドナの知人からの質問]
ドナは、ウイリアムス症候群の人の脳が、正常な人と同じ様には見えないという記述を見
ました。本当ですか? ドナは、神経科の医師が、ウイリアムス症候群の子供にとっては正
常であるのに、間違って異常だと判断して不必要な処置を勧めているのではないかという
事を心配しています。
[ワン医師の回答]
ウイリアムス症候群の脳にはかすかな違いが有ります。最適の参考資料は、T.L. Jernigan の
ものです。かかり付けの神経科の医師ならば、"Archives of Neurology" の中で彼女が書いた2
件の報告をみつけられるでしょう。また、私も報告書を2件書いており、一つは "Archives of
Neurology"、他の一つは "Neurology" に掲載されています。現実的には、ウイリアムス症候
群の脳について、臨床的に重大な異常と言えるのは次の一つだけです。ウイリアムス症候群の
人の中にはキアリ 奇形 I 型 を持つ人がいます。これは、慢性的な頭痛や、その他の神経症状
の原因になります。もし、MRI でこの兆候が見えたら、神経科の医師と相談されることを勧め
ます。
ポール・ワン (Paul P. Wang):
ペンシルバニア大学、発達小児科および神経小児科の助教授
ウイリアムス症候群やダウン症候群の研究者
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[キアリ 奇形 1型 の臨床的概要]
- 神経:
- 小脳扁桃と延髄の一部の大後頭孔からのヘルニア
- 脊髄空洞症
- 放射線学:
- 遺伝: