エラスチン:分子構成と機能



Elastin: molecular description and function.

Debelle L, Tamburro AM
Department of Chemistry, University of Basilicata, Potenza, Italy.
Publication Types:
Review, tutorial

脊椎動物の臓器の弾力性を提供しているタンパク質であるエラスチンは、単に弾力性だけ を提供する役目を負っていると考えられてきた。その結果、エラスチンは非結晶質高分子 として記述されてきた。生医学・生化学・生物物理学分野における最近の研究の結果、細 胞外にあるエラスチンの存在が他の多くの分子を含んだ複雑な関連を持っていることがわ かってきた。この報告では弾性巨大分子としてのエラスチンに関して現在わかっている事 実を述べる。最初に、機能高分子としての遺伝子的・生物学的・生化学的・生物物理学的 過程を記述する。次に、エラスチンの弾性機能を議論する。エラスチンの構造と弾性に関 して議論したあと、弾性に関して新しい力学的メカニズムを提案する。最後にエラスチン 分子が関係する病理学が議論される。機能的なエラスチンに関するこの最新の記述により、 エラスチンの病理学を理解するために必要な背景を理解でき、優れた弾性生体物質として 持つべき機能を明確に定義できる。

(1999年6月)

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