人体計測および体組成分析の結果ウィリアムズ症候群における内因性特徴が明らかになった
Anthropometric and body-mass composition suggests an intrinsic feature in Williams-Beuren syndrome.
Nogueira RJ, Zimmerman LF, Moreno YM, Comparini CR, Viana DV, Vieira TA, Steiner CE, Gil-da-Silva-Lopes VL.
Universidade Estadual de Campinas, Campinas, SP, Brazil.
Rev Assoc Med Bras. 2011 Dec;57(6):681-5.
目的:
ウィリアムズ症候群患者の体組成はよく知られていると考えられているが、実際に行われた研究は1件だけである。本研究の目的は本症候群のブラジル人患者の栄養状態の特徴を調べることである。
方法:
本研究は17人のブラジル人患者の臨床データと栄養状態を横断的に評価するように設計されている。身長、体重、BMI、三頭筋と肩甲下の皮下脂肪厚、腕の外周、腕の筋肉断面積、腕の皮下脂肪断面積に関するZ-スコアを計算した。ウィルコクソン検定(Wilcoxon's test)を用いて人体計測結果のZ-スコアとゼロの間の差を検定した。
結果:
4人の子どもが発育障害、2人が重篤な栄養不良と考えられた。身長のZ-スコア平均値は -1.14 ± 1.00 (p値 = 0.004)、体重は -0.67 ± 1.19 (p値 = 0.0443)、腕の外周は -0.94 ± 1.14 (p値 = 0.0222), 三頭筋の皮下脂肪厚は -0.59 ± 0.63 (p値 = 0.0042)、腕の皮下脂肪断面積 -0.67 ± 0.67 (p値 = 0.0061)であった。
結論:
一連の本研究により、過去に行われたドイツ人集団における研究で指摘された低身長が確認され、これがウィリアムズ症候群の内因性特徴であることが示唆される。さらに、同症候群における皮膚厚はこれまで測定された子ことはなかったが、今回のサンプルでは脂肪蓄積の異常が検出された。この手法は体組成を簡易かつ低コストに評価できることから、他の集団でも同様の研究を実施すればこの問題に関するより詳細な特徴を明らかにできる。この遺伝子病に関する罹患率や臨床検査に関する情報や臨床的経過観察結果を議論する。
(2012年1月)
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