診断目的ではなくスクリーニングで確認されたウィリアムズ症候群
Familial Williams-Beuren syndrome ascertained by screening rather than targeted diagnosis.
Rafati M, Seyyedaboutorabi E, Brujerdi R, Moossavi S, Ghaffari SR.
aDepartment of Medical Genetics, Tehran University of Medical Sciences bComprehensive Genetic Center, Hope Generation Foundation cDepartment of Biology, Science and Research Branch, Islamic Azad University dGene Clinic, Tehran eQom Welfare Organization, Qom, Iran.
Clin Dysmorphol. 2012 Apr 1. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群は隣接遺伝子欠失症候群であり、通常は孤発的に発生する。文献によれば数例の家族性ウィリアムズ症候群の報告があるが、そのすべてに症例で分子遺伝学的確認が行なわれてはいない。本報告は、「家族性精神遅滞」を有するある家系において臨床的かつ分子遺伝学的に確認された8例のウィリアムズ症候群の遺伝症例を奉告する。精神遅滞に対して包括的なスクリーニングアプローチが取られた。それには、染色体分析、脆弱性X症候群、サブテロメア転移やよく知られた微小欠失/微少重複症候群の検査、全ゲノムを対象としたアレイCGH(比較ゲノムハイブリダイゼーション )検査を実施した。父親、母親、娘は特定の臨床症状はなく精神障害があり異形症を有する精神障害がある。家系の第一子は複数の先天性障害で死亡した。父親と娘はウィリアムズ症候群を疑われたことはなかったが、ウィリアムズ症候群責任領域の欠失を有すると診断された。家系内にはそれ以外の異常は検出されなかった。これまでの報告とは異なり、本疾患は臨床的症状に基づいて確認されていることから、本報告は精神遅滞患者の不明確な染色体異常の確認には高スループットのスクリーニング方法を段階的に適用することの有用な例である。
(2012年4月)
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