ウィリアムズ症候群患者のバランス機能



Balance function in patients with Williams syndrome.

Barozzi S, Soi D, Gagliardi C, Selicorni A, Bedeschi MF, Forti S, Di Berardino F, Cesarani A, Brambilla D.
Audiology Unit, Universita degli Studi di Milano, Fondazione IRCCS Ca' Granda, Ospedale Maggiore Policlinico, Via Pace 9, I-20122 Milano, Italy. Electronic address: stefania.barozzi@unimi.it.
Gait Posture. 2012 Dec 6. pii: S0966-6362(12)00413-4. doi: 10.1016/j.gaitpost.2012.11.012. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群においてバランス制御機能に障害があることが報告されている。本研究の目的は、ウィリアムズ症候群患者が障害物のある経路内においてみせる姿勢のゆがみを計測することによって臨床的および機器試験的な方法でバランス機能を検査することである。23人のウィリアムズ症候群患者(男性11人、女性12人、平均年齢17.52±8.33歳)と23人の健康な被験者(男性11人、女性12人、平均年齢 17.74±8.93歳)に対して固い床面とフォームパッドの上で眼を開けた状態と閉じた状態で静的姿勢動揺検査を行った。ウィリアムズ症候群患者はすべての計測条件において対照群よりも、平均長、速度、表面値(surface values)が高い値を示した。また、長さと表面値は目を開けた状態において有意に高たっか。ウィリアムズ症候群患者の認知能力は安定性に関する成績(stabilometric performance)とは相関がなかった。ウィリアムズ症候群患者と対照群の間で最大の差異がみられたのは年齢が高い患者においてであった。ウィリアムズ症候群患者は同じ年齢の対照群に比べて安定性に欠けていて、特に姿勢を維持する際に視覚情報を用いる状態において顕著である。例えば、日常生活下がその例である。説明としては、眼科的障害と視空間障害が背側経路障害モデルに含まれる神経処理異常に貢献していることが考えられる。ウィリアムズ症候群患者のバランス機能は正常に発達した被験者とは異なる。特に姿勢制御が完成する青年期以降において顕著である。これは非典型的な成長軌跡を示唆している。

(2012年12月)



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