ウィリアムズ症候群の若い成人集団における糖尿病と糖尿病前症の罹患率



Prevalence of diabetes and pre-diabetes in a cohort of Italian young adults with Williams syndrome.

Masserini B, Bedeschi MF, Bianchi V, Scuvera G, Beck-Peccoz P, Lalatta F, Selicorni A, Orsi E.
Dipartimento di Scienze Mediche UOC di Endocrinologia e Diabetologia, Universita degli Studi di Milano, Fondazione IRCCS Ca' Granda, Ospedale Maggiore Policlinico, Milano, Italy.
Am J Med Genet A. 2013 Mar 12. doi: 10.1002/ajmg.a.35655. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群は稀少な多システムゲノム疾患であり、成人においてグルコース代謝異常において高い罹患率を示す。この病気が合併する理由はわかっていないが、ウィリアムズ症候群染色体領域にマップされる遺伝子の半接合が関連している。22人のウィリアムズ症候群を有するイタリア人の若い成人(女性13人、男性9人)について研究を行った。75g経口グルコース糖負荷試験(OGTT)を実施し、Homeostasis Model Assessment(HOMA)-B%とインスリン分泌指数と補正インスリン反応を使ってベータ細胞機能を見積もる一方、インスリン感受性はインスリン抵抗性指数と量的インスリン感受性検査指数と複合インスリン感受性指数によって評価した。1人の患者は真性糖尿病が知られていた一方、耐糖能障害が12人の患者から、真性糖尿病が1人から発見された(グルコース代謝異常の罹患率は63.6%)。耐糖能障害の患者は、耐糖能が正常な患者に比べてインスリン耐性が高い一方で、ベータ細胞機能は変化がないか増加している。膵島自己免疫は見られない。ロジスティック回帰分析の結果、グルコース代謝異常は年齢、肥満度指数(BMI)、真性糖尿病の家族歴とは無関係であった。ベータ細胞機能、インスリン感受性、負荷後インスリンレベルは、耐糖能が正常なウィリアムズ症候群患者と性別・年齢・BMIを一致させた正常な対照群の間で差は見られなかったが、耐糖能が正常なウィリアムズ症候群の患者は負荷後グルコースレベルが高かった。これらのデータはウィリアムズ症候群の若い成人においてグルコース代謝異常の罹患率が高いことを示しており、これらの患者にはグルコース糖負荷試験のスクリーニングが必要なことを示唆している。耐糖能障害はインスリン感受性の減少と関連するが、ベータ細胞機能異常、膵島自己免疫、2型糖尿病の典型的なリスク要素とは関連しない。

(2013年3月)



目次に戻る