ウィリアムズ症候群における見知らぬ人に対する危機意識
Stranger danger awareness in Williams syndrome.
Riby DM, Kirk H, Hanley M, Riby LM.
School of Psychology, Newcastle University, Newcastle upon Tyne, UK.
J Intellect Disabil Res. 2013 May 29. doi: 10.1111/jir.12055.
背景:
発達障害であるウィリアムズ症候群は独特の認知プロフィールと興味深い社会的表現型を特徴とする。本症候群の患者はよく知っている人、まったく知らない人の両方に対して社会的に引き付けられ、いったん交流を持つとその社会的行動はかすかな異常しか見られないことが多い。見知らぬ人に接近することが多いという非典型的な行動は子供と成人の両方でみられると発行されている論文で広く報告されている。両親からは、見知らぬ人と交流を持つことが主要な懸念点であるという報告が多い。
手法:
本研究では、「見知らぬ人に対する危機」意識の評価を目的として、ビデオ描写課題(video vignette task)を利用してウィリアムズ症候群患者の評価を行った。ウィリアムズ症候群表現型に含まれる他の要素(例:知的能力の低下、社会的接近の増加など)と結びつくことで見知らぬ人に対する危機意識は非常に重要になる。
結果:
質的・定量的データによればウィリアムズ症候群の若者は見知らぬ人を信用できるかどうか、社会的交流を結んでよいかどうかの判断が困難であることが判明した。質的データによればウィリアムズ症候群患者は見知らぬ人と相互交流を結ぶ傾向にあることが示唆されている。
結論:
この知見は本症候群の若者の安全に関する本質的な意味を有するとともに、これらの行動に関する介入の必要性を強調するものである。
(2013年7月)
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