希少知的障害症候群の老化



Aging in rare intellectual disability syndromes.

Dykens EM.
Vanderbilt Kennedy Center for Research on Human Development, One Magnolia Circle, Nashville, TN, 37203; Departments of Psychology and Human Development, Psychiatry and Pediatrics Vanderbilt University Medical Center.
Dev Disabil Res Rev. 2013 Aug;18(1):75-83. doi: 10.1002/ddrr.1130.

本レビューは希少知的障害症候群の成人に関する老化・健康・死亡に関する研究を含むいくつかの方法論的課題に焦点をあてた。この分野ではほとんど研究が行われておらず、高齢の患者の遺伝的診断対臨床診断の確認、成人は適切な医療を受けず、遺伝科医の診察も受けない傾向があること、世代や治療効果に関して集団に差異があること、死亡率が高くなり選択的な生存バイアスが存在することなどの研究を行う上での障害が存在する。とはいうものの、プラダー・ウィリー症候群やウィリアムズ症候群における老化をレビューしたところ、同症候群の高齢者に対して表現型に関する新たな洞察や治療オプションが明らかとなった。このレビューの最後には、遺伝分野の発展の長所、成人の表現型の変化、症候群個別の研究成果を結びつけて行う今後の研究を推奨する。希少知的障害症候群の老化に関する研究はほとんど見当たらないが、この分野は高齢者から学ぶことが多そうである。

(2013年8月)



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