ウィリアムズ症候群の皮膚に関する発見



Skin findings in Williams syndrome.

Kozel BA(1), Bayliss SJ, Berk DR, Waxler JL, Knutsen RH, Danback JR, Pober BR.
(1)Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St Louis, Missouri.
Am J Med Genet A. 2014 Jun 11. doi: 10.1002/ajmg.a.36628. [Epub ahead of print]

少人数のウィリアムズ症候群(ウィリアムズ−ビューレン症候群とも呼ばれる)の患者を対象としたこれまでの調査で皮膚少し柔らかいこと、組織の形状の復元性にとって重要な要素である弾性基質タンパク質であるエラスチンの蓄積が少ないことが明らかになった。ウィリアムズ症候群患者の皮膚の弾性に関する定量的な情報は得られていない。さらに、この集団における皮膚科学的な発見に関する完全な報告もない。このような知識のギャップを埋めるために、7歳から50歳のウィリアムズ症候群患者94人を集め、皮膚と血管の弾性に関する研究に参加してもらった。彼らは経験豊かな皮膚科医による臨床皮膚診断(2010年開催のWSA家族会合)、あるいはDermaLab(TM)吸引カップを用いた皮膚の生体力学的特性値の測定(2012年開催のWSA家族会合)のどちらかを受けている。臨床検査によって軟らかい皮膚(83%)、若白髪(20歳以上の患者80%)等がはこの集団に共通していること、また皺(92%)や異常な瘢痕(33%)は期待される比率より多いことが発見された。生体力学的研究により、対応群と比較してdP(皮膚を持ち上げるのに必要な圧力)、dT(指定した勾配まにそって皮膚を引き上げるのに必要な時間)、E(ヤング率)が統計的に有意に異なっていることが判明した。RT(退縮時間)も長くなる傾向が見られたが有意ではなかった。この症候群患者で見られた生体力学的差異は、同じくエラスチン不全(血管硬化、高血圧、動脈狭窄)に起因する循環器系疾患とは相関がなく、このことは各臓器におけるエラスチン不全の影響を調節する臓器特異的な変更因子の存在を示唆している。

(2014年6月)



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