ウィリアムズ症候群、ダウン症候群、プラダー・ウィリー症候群における健康と肥満に関連する食事状況
Dietary aspects related to health and obesity in Williams syndrome, Down syndrome, and Prader-Willi syndrome.
Nordstr?m M(1,)(2), Paus B(3,)(4), Andersen LF(5), Kolset SO(5).
Author information:
(1)Frambu Resource Centre for Rare Disorders, Siggerud, Norway.
(2)Department of Nutrition, Institute of Basic Medical Sciences, University of Oslo, Oslo, Norway; mal@frambu.no.
(3)Institute of Clinical Medicine, University of Oslo, Oslo, Norway.
(4)Department of Medical Genetics, Oslo University Hospital, Oslo, Norway.
(5)Department of Nutrition, Institute of Basic Medical Sciences, University of Oslo, Oslo, Norway.
Food Nutr Res. 2015 Feb 3;59:25487. doi: 10.3402/fnr.v59.25487. eCollection 2015.
【背景】:
肥満やその二次症状の発達に寄与している可能性がある食事状況は知的障害を有する遺伝的サブグループに関してあまり記述されていない。
【目的】:
プラダー・ウィリー症候群、ダウン症候群、ウィリアムズ症候群の被験者において選択された食物を摂取する頻度を記録し、肥満度指数(BMI)との関連を調査した。異なる生活環境におかれたダウン症候群患者における食物に関する自立性と摂取頻度を探索した。
【手法】:
摂取頻度の自己申告と血清カロチノイドとω3脂肪酸の血中含有量の測定値を、16歳から42歳のウィリアムズ症候群(21人)、ダウン症候群(40人)、プラダー・ウィリー症候群(20人)患者について調査した。
【結果】:
プラダー・ウィリー症候群被験者の大部分が、ダウン症候群やウィリアムズ症候群の被験者と比べて果物(p=0.012)や野菜(p=0.004)を摂取する頻度が高く、血清カロチノイド(p<0.001)も高い値を示した。さらに、ウィリアムズ症候群の被験者の大部分は、プラダー・ウィリー症候群やダウン症候群の被験者と比較して魚(p=0.005)を摂取する頻度が低く、ω3脂肪酸サプリメントの利用頻度も低く、長鎖ω3脂肪酸の血中濃度(p<0.001)も低下している。ダウン症候群においては、肥満度指数は血清カロチノイドと負の相関がある。近年増加している地域コミュニティで暮らしている被験者のグループは家族と暮らす被験者と比較して調理済みの食事(p=0.030)を摂取する頻度が高く、ソフトドリンク(p=0.079)を消費する頻度も高い。地域コミュニティで暮らしている被験者は食事に関する決定や準備に関わることも多い。
【結論】:
ウィリアムズ症候群患者はプラダー・ウィリー症候群患者と比較して食事パターンの好き嫌いが少ない。地域コミュニティで暮らしている被験者の大部分は調理済みの食事を食べることが多く、ソフトドリンクを消費する頻度も高い傾向がある。他方で、彼らが調査対象の食物を摂取する頻度は家族と暮らしている被験者と差はないが、食事に関する決定や準備に関わることが多い。
(2015年2月)
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