ウィリアムズ症候群の子ども、青年、成人の失禁
Incontinence in children, adolescents and adults with Williams syndrome.
von Gontard A(1), Niemczyk J(1), Borggrefe-Moussavian S(1), Wagner C(1), Curfs L(2), Equit M(1).
Author information:
(1)Department of Child and Adolescent Psychiatry, Saarland University Hospital, Homburg, Germany.
(2)Department of Clinical Genetics, Governor Kremers Centre, Maastricht University Medical Centre, Maastricht, The Netherlands.
Neurourol Urodyn. 2015 Sep 14. doi: 10.1002/nau.22866. [Epub ahead of print]
目的:
ウィリアムズ症候群は特徴的な顔貌、循環器系の疾患、行動的症状、軽度の知的障害などを特徴とする微小欠失症候群(染色体7q11.23)である。本研究の目的はウィリアムズ症候群患者の失禁や心理学的問題の発生率を評価することである。
手法:
ドイツ家族サポートグループを通じでウィリアムズ症候群患者231人(男性が52%、平均年齢19.4歳)を集めた。便失禁は4歳から、夜尿症と昼間尿失禁の診断は5歳以降で診断されていた。遺尿症/尿失禁に関する両親向けアンケート、小児の下部尿路症状の失禁アンケートに関する国際診断(ICIQ-CLUTS) 、さらに両親向け(DBC-P)あるいは成人向け(DBC-A)発達行動チェックリストを両親や養育者に記入してもらった。
結果:
調査対象の17.8%に夜尿症が、5.9%に昼間尿失禁が、7.6%に便失禁が見られた。夜尿症は子ども(4歳から12歳)の44.9%に存在し、ティーンズの若者(13歳から17歳)では13.5%、若い成人(18歳から30歳)では3.3%、成人(31歳以上)では3.6%にみられた。昼間尿失禁(と便失禁)は子どもの時の17.9%(21.4%)から成人では0%と減少する。調査対象の3.5%はICIQ-CLUTSスコアが臨床範囲に含まれている。子どもの30.5%と成人の22.1%はDBCスコアが臨床範囲であった。臨床的に関連性のあるDBC-Pスコアを有する子どもやティーンズは昼間尿失禁の発生頻度が有意に高い。
結論:
ウィリアムズ症候群の子どもは失禁や下部尿路症状を有する比率が高いが年齢とともに割合は低下する。大部分の成人は禁制されている。夜尿症は最も数が多いサブタイプである。子どもの昼間尿失禁を除いて、失禁は行動問題とは関連しない。ウィリアムズ症候群患者におけるスクリーニングと失禁の評価と治療を推奨する。
(2015年9月)
目次に戻る