ウィリアムズ症候群患者の麻酔管理とリスク評価:包括的レビュー



Risk assessment and anesthetic management of patients with Williams syndrome: a comprehensive review.

Matisoff AJ(1), Olivieri L(2), Schwartz JM(1,)(3), Deutsch N(1).
(1)Division of Anesthesia, Sedation and Perioperative Medicine, Children's National Health System, George Washington University School of Medicine, Washington, DC, USA.
(2)Division of Cardiology, Children's National Health System, George Washington University School of Medicine, Washington, DC, USA.
(3)Division of Critical Care, Children's National Health System, George Washington University School of Medicine, Washington, DC, USA.
Paediatr Anaesth. 2015 Oct 12. doi: 10.1111/pan.12775. [Epub ahead of print]

1961年に最初に記述されて以来、ウィリアムズ・ビューレン症候群(一般的にはウィリアムズ症候群として知られている)患者における麻酔に関連する心停止の発生率が増加していることが、いくつかの論文に記述されている。エラスチン遺伝子の欠失に起因する広汎な動脈症の結果、大動脈弁上狭窄症(SVAS)や肺動脈異常などの様々な循環器異常が発生し、心筋虚血発生にリスクを増大させている。ウィリアムズ症候群患者は麻酔や鎮静作用時における有害イベントのリスクが高まることが知られているが、彼らは一生涯のうちに何度か麻酔を必要とする手術を受けることが多く、麻酔関連の心停止の症例が報告され続けている。現在まで、ウィリアムズ症候群患者個々における麻酔リスクを定量化を取り上げた前向き研究の報告は一遍もない。本論文では、ウィリアムズ症候群の臨床所見をレビューして、共通認識、現在の文献を基にした麻酔リスクを評価する専門科向け手法、この患者集団に対する周術期管理に関する勧告を提供する。

(2015年10月)



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