ウィリアムズ症候群の7症例:内分泌機能評価と長期経過観察
Seven cases with Williams-Beuren syndrome: endocrine evaluation and long-term follow-up.
Guven A.
J Pediatr Endocrinol Metab. 2017 Jan 13. pii:
背景:
7人のウィリアムズ症候群患者(内男性6人)の内分泌機能評価と長期経過観察結果を報告する。
手法:
患者のカルテからデータを得た。すべての患者がホルモン分析を受け、その内の4人は経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を受けた。
結果:
全員が軽度の高カルシウム血症を有する。そのうちの3人は明らかな甲状腺機能低下症を呈し、無症候性の甲状腺機能低下症も3人から検出された。4人の患者で甲状腺低形成が見られ、1人は甲状腺欠損症であった。成長ホルモン欠乏症(GHD)が1人の患者で特定された。耐糖能障害(IGT)が3人の青年でみつかった。青年のすべてが思春期早発症であった。経過観察期間は5.7±2.1年である。成長速度の平均は治療後初年度と2年目はそれぞれ12.9±7.2cmと7.6±2cmであった。全患者が神経発達遅滞であり、継続的に特殊教育を受けていた。
結論:
ウィリアムズ症候群では甲状腺低形成が共通してみられ甲状腺欠損症も存在する可能性がある。このため、甲状腺ホルモンは新生児期とその後毎年測定すべきである。成長ホルモン欠乏症は成長速度が遅い患者では念頭に置くべきである。耐糖能障害はウィリアムズ症候群患者においては青年期でも検出される可能性がある。
(2017年1月)
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