ウィリアムズ症候群の子どもが呈した中枢性甲状腺機能不全と副腎機能不全の珍しい合併症
A rare association of central hypothyroidism and adrenal insufficiency in a boy with Williams-Beuren syndrome.
Dayal D(1), Giri D(1), Senniappan S(1).
Author information:
(1)Department of Paediatric Endocrinology, Alder Hey Children's Hospital NHS Trust, Liverpool, UK.
Ann Pediatr Endocrinol Metab. 2017 Mar;22(1):65-67. doi:10.6065/apem.2017.22.1.65. Epub 2017 Mar 31.
甲状腺の形態学的および容積の異常に関連する原発性甲状腺機能不全はウィリアムズ症候群に合併するいくつかの内分泌機能異常の中で最も共通的にみられる異常の一つである。中枢性甲状腺機能不全を呈した10か月の子どもの症例を報告する。新生児期、彼には遷延性黄疸、哺乳障害、疝痛の発症があり、乳児期まで継続した。加えて、成長が遅く、軽度の発達遅滞であった。6か月の時点で大動脈弁上狭窄症を治療する外科手術を経験した。レボチロキシンによる治療を開始するにああたって実施したコルチゾル欠乏症ではないことを確認するための検査で、続発性副腎機能不全が発見された。この機能不全はウィリアムズ症候群ではこれまで発症の報告はない。加えて、インスリン様成長因子(IGF-1)とインスリン様成長因子結合タンパク質3のレベルが低かった。ウィリアムズ症候群における甲状腺機能不全に関する本報告はウィリアムズ症候群の子どもにおける脳下垂体の機能不全の完全な評価が必要なことを示している。
(2017年5月)
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