没食子酸緑茶カテキンがウィリアムズ症候群のマウスモデルにおける心肥大と短期記憶障害を改善する
Epigallocatechin-3-gallate improves cardiac hypertrophy and short-term memory deficits in a Williams-Beuren syndrome mouse model.
Ortiz-Romero P(1)(2), Borralleras C(1)(2), Bosch-Morato M(1), Guivernau B(1), Albericio G(1)(2), Munoz FJ(1), Perez-Jurado LA(1)(2)(3), Campuzano V(1)(2)(3).
Author information:
(1)Departament de Ciencies Experimentals i de la Salut, Universitat Pompeu Fabra, Barcelona, Spain.
(2)Neurosciences Program, Institut Hospital del Mar d'Investigacions Mediques(IMIM), Barcelona, Spain.
(3)Centro de Investigacion Biomedica en Red de Enfermedades Raras (CIBERER), ISCIII, Barcelona, Spain.
PLoS One. 2018 Mar 19;13(3):e0194476. doi: 10.1371/journal.pone.0194476. eCollection 2018.
ウィリアムズ症候群は神経発達疾患であり、7q11.23染色体領域に存在する26-28個の遺伝子の半接合欠失を原因とする。完全欠失マウスモデルはウィリアムズ症候群患者でみられる欠失のほとんどを模倣し、この症候群の神経性特徴を模倣するとともに、心筋細胞の大きさが増大して顕著な心肥大につながる循環器症状も呈する。緑茶に最も多く含まれているカテキンである没食子酸緑茶カテキンは、いくつかのメカニズムによって認知と循環器の両表現型に関して健康面でよい恩恵がある可能性がある。我々は緑茶からの抽出物がウィリアムズ症候群に関連する表現型に対する効果を、マウスに対する第I相臨床試験で確認することである。開始時期が異なる3種類(出生前、幼獣、成獣)の完全欠失マウスモデルに対して緑茶からの抽出物を水に溶かして与えたのち、一連の行動テストといくつかの解剖学的、組織学的、分子細胞学的分析を行った。この治療は結果的に心肥大の減少に効果があるとともに、完全欠失マウスモデルの短期記憶障害を回復させることができた。合わせて考えると、これらの結果は没食子酸緑茶カテキンがウィリアムズ症候群の治療管理において療育的かつ予防的役割があることを示唆している。
(2018年3月)
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