非循環器系手術におけるウィリアムズ症候群と麻酔:適切な計画を立てることで高リスクを緩和できる



Williams Syndrome and Anesthesia for Non-cardiac Surgery: High Risk Can Be Mitigated with Appropriate Planning.

Brown ML(1), Nasr VG(2), Toohey R(2), DiNardo JA(2).
Author information:
(1)Division of Cardiac Anesthesiology, Department of Anesthesiology, Perioperative, and Pain Medicine, Boston Children's Hospital, 300 Longwood Ave, Boston, MA, 02115, USA. morgan.brown@childrens.harvard.edu.
(2)Division of Cardiac Anesthesiology, Department of Anesthesiology, Perioperative, and Pain Medicine, Boston Children's Hospital, 300 Longwood Ave, Boston, MA, 02115, USA.
Pediatr Cardiol. 2018 Mar 23. doi: 10.1007/s00246-018-1864-1. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群の患者は麻酔に関連する有害事象へのリスクが高いと考えられている。我々の施設では、循環器系手術、心臓カテーテル/介入術式、循環器の画像研究を受けたウィリアムズ症候群の患者全員が循環器系麻酔医の管理下にあった。非循環器系手術、介入術式や画像研究を受けたウィリアムズ症候群の患者全員が、循環器系麻酔医からの指導的情報を受けた、中央手術室に勤務する小児麻酔医の管理下にあった。我々は2012年から2016年までの間に、202回の独立した麻酔(95回が非循環器系処置、107回が循環器系処置)を受けた75人の患者の経験をレビューした。平均年齢は7.5±7.0歳で、平均体重は22.3±17.0?kgだった。187人の患者が全身麻酔(92.6%)を受けた。処方された薬にはエトミデート が26.2%、プロポフォールが37.6%、イソフルランが47.5%、セボフルランが68.3%だった。昇圧剤と変力物質が必要な場合は、カルシウム(22.8%)、 ドーパミン(10.4%)、ノルエピネフリン(17.3%)、フェニレフリン(35.1%)、バソプレシン(0.5%)、エフェドリン(5.4%)が含まれる。麻酔後の平均入院期間は2.8日(範囲は0-32)であった。麻酔の89.6%には有害事象が発生しなかった。心停止が2例あり、そのうちの1例は蘇生の為に体外循環生命維持装置を必用とした。非循環器系手術において、95.7%は循環器系に有害事象が発生しなかった。ウィリアムズ症候群患者は麻酔、特に循環器系の手術を行う際にはリスクが高い。このリスクは非循環器系手術に対する適切な計画を立て、血行動態の目標に集中すれば緩和できる。

(2018年3月)



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