ウィリアムズ症候群における肥満度指数(BMI)の変動:予想された食事量と食事行動との関連
Body mass index variation in adults with Williams syndrome: associations with predicted dietary intake and food behaviors.
Renzi D(1), Stanley T(2)(3), Waxler J(1), Lee H(3)(4), Pober B(1)(3), Nordstrom M(5)(6)(7).
Author information:
(1)Division of Genetics, Department of Pediatrics, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA.
(2)Metabolism Unit, Department of Medicine, and Pediatric Endocrine Unit, Department of Pediatrics, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA.
(3)Harvard Medical School, Boston, MA, USA.
(4)Biostatistics Center, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA.
(5)Department of Nutrition, Institute of Basic Medical Sciences, University of Oslo, Oslo, Norway.
(6)Frambu Resource Centre for Rare Disorders, Siggerud, Norway.
(7)Unit for Rare Neuromuscular Disorders, Movement, Muscle and Neurodegeneration, Department of Neurology, Oslo University Hospital, Oslo, Norway.
Food Nutr Res. 2023 Jun 23;67. doi: 10.29219/fnr.v67.9321. eCollection 2023.
背景:食事量と体重は長期的な健康に対する重要な予測因子である。しかし、ウィリアムズ症候群のような知的発達症を伴う遺伝子疾患の成人に関してこの点に注目した研究はほとんどない。
目的:ウィリアムズ症候群の成人を対象にして、予想された食事量、食物関連の問題、肥満度指数(BMI)と体重状態の差異に影響を与えていると考えられる要素との関連を記述すること。
設計:82人の被験者(年齢中央値30歳、年齢範囲18-69歳)を対象とした本研究において、我々は肥満度指数、予想された食事量(食事スクリーニング質問票)、食物関連の行動(食物関連問題質問票)、不安症(スペンス児童用不安尺度)間の横断分析を行った。
結果:肥満度指数の変動が観察され、BMIの中央値は27.3kg/m2 (範囲16.7-55.5 kg/m2)だった。摂取された食事のうちのいくつかの要素にはウィリアムズ症候群集団に対する推奨内容とは乖離があった。ウィリアムズ症候群の被験者を正常なBMIや過体重のBMIを有する人と比べた場合、肥満症のウィリアムズ症候群被験者は果物や野菜の摂取量が0.15カップ当量分少ない(P = 0.049)一方で、過小体重BMIを有する被験者は果物や野菜の摂取量が0.44カップ当量分少なく(P = 0.026)、さらに食物繊維の摂取量が一日当たり2.12g少ない(P = 0.019)。「食物への関心」の1ポイント増大はBMIが0.57単位することと(P = 0.16)関連する一方、「食物の摂取と蓄積」下位スコアの1ポイント増大はBMIが0.72単位することと関連していた。体重の縦断サブセットにおいて、体重が増加するグループと安定しているグループは同定できる。前者は「食物の摂取と蓄積」下位スコアの上昇と関連しているが、食事量とは関連がない。
結論:我々はBMIの有意な変動を観察した。食事量はBMIとはほとんど関係がないが、BMIの増加と体重増加は「食物への関心」や「食物の摂取と蓄積」行動下位スコアと関連があった。
(2023年7月)
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