セリアック病に関連する状況:誰を検査すべきか?
Celiac disease-related conditions: Who to test?
Zingone F(1), Bai JC(2), Cellier C(3), Ludvigsson JF(4).
Author information:
(1)Department of Surgery, Oncology and Gastroenterology, University of Padua, Padua, Italy; Gastroenterology Unit, Azienda Ospedale-Universita Padova, Padua, Italy. Electronic address: fabiana.zingone@unipd.it.
(2)Small Bowel Section, Dr. C. Bonorino Udaondo Gastroenterology Hospital, Buenos Aires, Argentina; Research Institutes, Universidad del Salvador, Buenos Aires, Argentina.
(3)Departement of Gastroenterology and Endoscopy. Paris Cite University. European Georges Pompidou Hospital. APHP. Paris, France.
(4)Department of Medical Epidemiology and Biostatistics, Karolinska Institutet, Stockholm, Sweden; Department of Pediatrics, Orebro University Hospital, Orebro, Sweden; Division of Digestive and Liver Disease, Department of Medicine, Columbia University, Medical Center, New York, USA.
Gastroenterology. 2024 Mar 7:S0016-5085(24)00282-8. doi:10.1053/j.gastro.2024.02.044. Online ahead of print.
セリアック病は免疫が関係する慢性的な疾患であり、遺伝的素因を有する患者においてグルテン消化が引き金になる。母集団のおよそ1%がこの疾患に罹患している。疾患の症状は不均一であり、内科医や一般大衆による認知度が上がっているにもかかわらず、過小評価され続けている。未診断のセリアック病を同定するための最も効果的な戦略は、リスクの高い集団に対する血清検査を通じた積極的な症例発見である。我々はセリアック病と20種類以上の疾患の間の合併に関する最新のエビデンスを調査した。このレビューに照らした場合セリアック病のスクリーニングが推奨される患者は、1)自己免疫疾患で、セリアック病が疑われる症状を合併する患者、2)セリアック病によく似ている可能性がある疾患(例:過敏性大腸症候群、炎症性腸疾患、顕微鏡的大腸炎)を有する患者、3)以下にあげるようなセリアック病の合併頻度の高い疾患の患者、すなわち第一度親族、特発性膵臓炎、原因不明の肝臓酵素異常、自己免疫性肝炎、原発性胆管炎、重症細菌感染症を伴う脾機能低下症あるいは機能性無脾症、1型糖尿病、橋本甲状腺炎やバセドウ病、シェーグレン症候群、ヘルペス状皮膚炎、再発性アフタ症候群やエナメル質欠損、原因不明の運動失調、末梢性神経障害、遅発初経や早発閉経、ダウン症候群、ターナー症候群、ウィリアムズ症候群、慢性疲労症候群、IgA腎症、IgA欠乏症である。セリアック病血清検査はスクリーニング過程の第一段階である。上述の疾患を有していて上部消化管内視鏡検査を受けた患者は、セリアック病の可能性を排除するために生検を行うべきである。
(2024年3月)
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