遺伝医学における生成AIによる診断精度に及ぼす表情効果の類似



Approximating facial expression effects on diagnostic accuracy via generative AI in medical genetics.

Patel T(1), Othman AA(1), Sumer O(2), Hellman F(2), Krawitz P(3), Andre E(2), Ripper ME(1), Fortney C(4), Persky S(4), Hu P(1), Tekendo-Ngongang C(1), Hanchard SL(1), Flaharty KA(1), Waikel RL(1), Duong D(1), Solomon BD(1).
Author information:
(1)Medical Genomics Unit, Medical Genetics Branch, National Human Genome Research Institute, Bethesda, MA 20892, United States.
(2)Institute of Computer Science, Augsburg University, Augsburg, Bavaria 86159, Germany.
(3)Institute for Genomic Statistics and Bioinformatics, University of Bonn, Bonn, North Rhine-Westphalia 53113, Germany.
(4)Social and Behavioral Research Branch, National Human Genome Research Institute, Bethesda, MA 20892, United States.
Bioinformatics. 2024 Jun 28;40(Supplement_1):i110-i118. doi: 10.1093/bioinformatics/btae239.

人工知能(AI)は、ゲノミクスの研究や実践において利用頻度が高まっており、生成AIは最近大いに注目を集めている。生成AIの臨床応用では、基礎となるデータセットの側面が結果に影響を与える可能性があるため、交絡因子を研究して軽減する必要がある。その一例が、遺伝的疾患を持つ患者の表情である。ステレオタイプ的には、ウィリアムズ症候群とアンジェルマン症候群は、笑顔の表情を含む「幸せな」態度と関連している。臨床遺伝医は、患者の笑顔の画像でこれらの疾患を特定する可能性が高くなる。顔の表情の影響を調べるために、遺伝性疾患を持つ約3500人の患者の公開されている顔画像を分析した。深層学習(DL)画像分類機能を使用して、笑顔でない表情のウィリアムズ症候群画像とアンジェルマン症候群画像は、笑顔の表情の画像に比べて、正しく症候群ラベルを予測できる確率が有意に低いことがわかった。この傾向は、笑顔の表情と関連していない22q11.2欠失症候群やヌーナン症候群では見られなかった。顔の表情効果をさらに調べるために、これらの画像の表情をプログラムを用いて変更した。StyleGAN2と互換性のあるGAN反転手法であるHyperStyleを学習させて、画像のベクトル表現を決定した。次に、InterfaceGANの概念に従って、これらのベクトルを編集して、表現型的には正確な再現だが、異なった顔の表情となるように元の画像を再生した。オンライン調査と視線追跡実験を通じて、顔の表情の変化が人間の専門家の成績にどのように影響するかを調べた。全体として、顔の表情は、さまざまな遺伝的状態によって診断精度にばらつきがあることが判明した。

【訳者注】

StyleGAN2: GAN(Generative Adversarial Network, 敵対的生成ネットワーク) InterfaceGAN:
(2024年7月)



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