ウィリアムズ症候群と麻酔
Williams Syndrome and Anesthesia
Paige Kaplan, MD
Division of Genetics, Children's Hospital of Philadelphia
"Heart to Heart", Volume 17 Number 3, September 2000, Page 3
1961年から1996年の間に発行された多くの個別症例報告を見ると、ウィリアムズ症候
群患者には麻酔に対してリスクが高いという一般的な認識がある。これらにはウィリアム
ズ症候群や先天的心臓病の子ども19人の突然死が報告されている。
フィラデルフィア子ども病院を受診したウィリアムズ症候群患者の病歴を過去に遡っ
て調査し、麻酔に対する反応を調査した。1987年から2000年の13年間に心臓手術や心臓
カテーテル60例を受けた先天的心臓病の患者26人(6ヶ月から19才まで)を調べた。
重度の肺動脈末端狭窄と肺高血圧を持つ18ヶ月の男児一例だけに危険な状態の事例が
あった。麻酔から覚醒し気管抜管する際に、患児のSPO2が低下し徐拍をおこした。しかし、
心臓マッサージと再気管挿入を含む人工呼吸を行い、すぐに安定状態に戻り完全に復帰し
た。
我々は先天的心臓病を持つウィリアムズ症候群の子どもに対して安全に麻酔を実施で
きると結論つけた。心臓疾患との生理学的関連を確認する術前評価、生理的状態を一定に
保つ小児麻酔医の麻酔管理、蘇生用の薬と器具の利用、術後まで及ぶ注意深く迅速な処置
などにより、ウィリアムズ症候群の子どもや成人の患者は麻酔の恩恵を受けられる。
(本論文は、2000年に開催されたウィリアムズ症候群に関する国際専門家会議で発表され
た中から選ばれた論文の概要である。)
(2000年11月)
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