ウィリアムズ症候群患者の口蓋裂
Cleft palate in a patient with Williams' syndrome.
Blanco-Davila F, Olveda-Rodriguez JA.
Division of Plastic and Reconstructive Surgery, Craniofacial Surgery Clinic,
University Hospital Dr. Jose E. Gonzalez, Autonomous University of Nuevo Leon,
Monterrey, NL Mexico. Fblanco@ccr.dsi.uanl.mx
J Craniofac Surg 2001 Mar;12(2):145-7
裂唇や口蓋裂がウィリアムズ症候群の合併症であるという医学レポートは見当たらない。
この論文では先天的特徴の一つとして口蓋裂を持つ患者を紹介する。出生直後は臨床的に
ピエール・ロビン後遺症(Pierre Robin sequence)の様相を呈していると思われた。頭蓋顔
面症候群の発達・舌下垂(glossoptosis)を伴なう小下顎症や小顎症が徐々に顕著になって
きた。さらに検査を行うと、その患者には症候群が疑われる症状が発見された。カブキ症
候群(Kabuki syndrome)や胎児性アルコール中毒症候群(fetal alcohol syndrome)のような
精神運動発達の遅れや特長な顔貌を呈する他の疾病ではないと判断するための詳細な検査
が必要であった。臨床的特徴からウィリアムズ症候群の診断が下され、FISH検査で確定さ
れた。ウィリアムズ症候群は稀少先天性疾患であり、身体及び発達障害を伴うと記述され
ている。共通的に見られる特徴として、特長的な「妖精様顔貌」・大動脈弁上狭窄・高カル
シウム血症・出生児の低体重・遅い体重増加・摂食障害・衝動的で外向的性格・空間認知
能力や運動制御能力の低下・知的障害などがある。ウィリアムズ症候群の患者は言語・音
楽・対人関係などの分野で能力を発揮するにもかかわらず、知能指数は一般的に低く軽度
から中程度の遅滞であると考えられている。
(2001年4月)
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