皮膚弛緩症・皮膚萎縮症・弾力繊維性仮性黄色腫・Buschke-Ollendorff症候群・ウィリアムズ症候群患者の弾力皮膚繊維の形態分析



Morphometric analysis of elastic skin fibres from patients with: cutis laxa, anetoderma, pseudoxanthoma elasticum, and Buschke-Ollendorff and Williams-Beuren syndromes.

Ghomrasseni S, Dridi M, Bonnefoix M, Septier D, Gogly G, Pellat B, Godeau G.
Laboratoire de physiopathologie des tissus non-mineralises, Universite Rene Descartes-Paris V, UFR d'Odontolgie, Montrouge, France.
J Eur Acad Dermatol Venereol 2001 Jul;15(4):305-11

臨床的に診断を受けた皮膚弛緩症(cutis laxa)・皮膚萎縮症・ウィリアムズ症候群・弾力 繊維性仮性黄色腫・Buschke-Ollendorff症候群の患者たちの弾力皮膚繊維を計測して形態 分析を行い、同年齢の健常者のデータと比較した。前弾力繊維(pre-elastic fibres)と真 皮弾力繊維の直径・断面積比率(AA%)・体積比率(VV%)を測定した。年齢には無関係に真皮 弾力繊維の直径は対象とした全グループでガウス分布に従った。VV%を決定する時にこの直 径の値を考慮した。同じ年齢範囲の健康な被験者から採取したデータと比較すると、皮膚 弛緩症・皮膚萎縮症・ウィリアムズ症候群・弾力繊維性仮性黄色腫では前弾力繊維のVV% 値が減少し、Buschke-Ollendorffの患者では差が見られない。真皮弾力繊維のVV%値は、 Buschke-Ollendorff症候群では4倍から5倍に増加、弾力繊維性仮性黄色腫の皮膚では2 倍から3倍に増加、皮膚弛緩症・皮膚萎縮症の皮膚では2分の1から3分の1に減少、ウ ィリアムズ症候群の皮膚では2分の1に減少している。oxytalan繊維の直径は皮膚萎縮症 とウィリアムズ症候群では減少していたが、弾力繊維性仮性黄色腫と皮膚弛緩症では変化 がみられない。真皮弾力繊維の直径は弾力繊維性仮性黄色腫とBuschke-Ollendorff症候群 では増加、皮膚萎縮症とウィリアムズ症候群では減少、皮膚弛緩症では変化が無かった。 我々は弾力皮膚繊維の形態分析を行うことで、皮膚弛緩症・皮膚萎縮症・ウィリアムズ症 候群・弾力繊維性仮性黄色腫・Buschke-Ollendorff症候群を容易に識別できることを示し た。このように皮膚生検による形態分析は、弾力繊維の変形を伴う先天的・後天的皮膚病 の識別に効果があることを提案する。

2001年12月



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