ウィリアムズ症候群における突然死のリスク



Risk of sudden death in the Williams-Beuren syndrome.

Wessel A, Gravenhorst V, Buchhorn R, Gosch A, Partsch CJ, Pankau R.
Department of Pediatric Cardiology, Medical School Hannover, Hannover, Germany.
Am J Med Genet. 2004 Jun 15;127A(3):234-7.

ウィリアムズ症候群は特徴ある顔貌形態・精神遅滞・軽度の成長障害・循環器疾患を特徴とする遺伝子病である。ウィリアムズ症候群において突然死が起こることは、いくつかの事例報告があることで知られているが、大規模な患者集団のデータから導出された突然死リスクに関する情報がない。我々は40年にわたって同じ2つの病院で治療を受けている293人のウィリアムズ症候群患者のデータを分析した。追跡調査可能な5,190患者年(patient years)のデータを収集した。この間10人の患者が死亡した。そのうちの5人は、細網肉腫(reticulosarcoma)(1)、事故(1)、心不全(1)、心臓手術後(2)で死亡した。残りの5人のうち、4人は突然死であり、1人の死亡原因は不明であるが突発性心停止(sudden cardiac death)が疑われている。このように、我々が調査したウィリアムズ症候群患者集団における突然死の発生率は1人/1,000患者年であった。この突然死のリスクは先天性心臓疾患に対する手術後のリスクに匹敵し、同年代の一般人に比べて25倍から100倍高い。

(2004年5月)



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