真性性早熟症を合併したWilliams症候群の一例
尾崎 望1)、玉本 晃1)、今井 博之2)
1) 京都民医連中央病院小児科、2) 吉祥院こども診療所小児科
小児科臨床 Vol56 No8 (2003.8)1745-1750ページ
当院産科で出生し、11歳6ヵ月の現在まで経過をみているWilliams症候群の1男児例を報告する。
この症例は特異的顔貌、末梢性肺動脈狭窄、中等度精神発達遅滞を伴っており臨床的にWilliams症候群に合致していた。また染色体検査(FISH法)にてWilliams症候群に特異的な部分欠失を認め確定診断を行った。一方、本症例では8歳頃から身長のスパート、9歳から恥毛と変声を認め、また女性への興味が亢進した。これらの臨床症状および内分泌学的検査結果から厚生省間脳下垂体機能障害調査研究班の診断の手引きの中枢性性早熟症確実例と診断した。Williams症候群における真性性早熟症の合併については注目すべきものと考える。
(2004年5月)
目次に戻る