セリアック病の子供に対する診断と治療に関するガイドライン:北米小児胃腸・肝臓・栄養学会からの勧告



Guideline for the Diagnosis and Treatment of Celiac Disease in Children: Recommendations of the North American Society for Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition.

Hill ID, Dirks MH, Liptak GS, Colletti RB, Fasano A, Guandalini S, Hoffenberg EJ, Horvath K, Murray JA, Pivor M, Seidman EG.
Winston Salem, NC (Hill) Montreal, QC (Dirks) Rochester, NY (Liptak) Burlington, VT (Colletti) Baltimore, MD (Fasano) Chicago, IL (Guandalini) Denver, CO (Hoffenberg) Baltimore, MD (Horvath) Rochester, MN (Murray) Winston Salem, NC (Pivor) Montreal, QC (Seidman).
J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2005 Jan;40(1):1-19

セリアック病は免疫媒介性腸疾患であり、遺伝的な原因の疑いがある恒常的グルテン(小麦たんぱく質)過敏症が原因である。胃腸症状・ヘルペス状皮膚炎・歯牙のエナメル質欠損・骨粗鬆症・低身長・思春期遅発・持続性鉄欠乏性貧血などを有する子供や成人、および1型糖尿病・ダウン症候群・ターナー症候群・ウィリアムズ症候群・選択的免疫グロブリン(Ig)A欠乏症やセリアック病の第一世代の子孫などの個人に無症候的に発生する。北米小児胃腸・肝臓・栄養学会のセリアック病ガイドライン制定委員会は、医学文献と専門家の意見を総合する系統的な調査を行い、小児セリアック病に関する臨床実施ガイドラインを制定した。委員会は検査指標・血清検査の値・ヒト白血球抗原(HLA)の型と組織病理学・セリアック病の子供に対する治療と監視方法などを調査した。セリアック病の徴候を有するか、セリアック病のリスクが高まっている子供や成人は、組織グルタミン転移酵素に対する抗体(TTG)の調査を目的とした血液検査を受けることを薦める。TTG値が高くなっている患者は小児胃腸科を受診して腸管細胞診を受け、腸管組織病理学的にセリアック病の徴候が現れている患者はグルテン完全除去食品による治療を受けることを薦める。この文書はセリアック病の子供や成人に対する診断と治療に関する公式勧告を表明したものである。

(2005年1月)



目次に戻る