ウィリアムズ症候群における成長ホルモン欠乏症:成長ホルモン療法への反応
Growth hormone deficiency in a child with Williams-Beuren syndrome. The response to growth hormone therapy.
Xekouki P, Fryssira H, Maniati-Christidi M, Amenta S, Karavitakis EM, Kanaka-Gantenbein C, Dacou-Voutetakis C.
Endocrine Unit, First Department of Pediatrics, Athens University Medical School, Athens, Greece.
J Pediatr Endocrinol Metab. 2005 Feb;18(2):205-7.
ウィリアムズ症候群の患者では、出生前あるいは出生後に原因不明の成長障害が共通的に見られる。しかし、成長ホルモン欠乏症が成長障害の原因であることは考慮されてこなかった。成長ホルモン欠乏症と診断され、ヒト成長ホルモン療法に対してよい反応を呈した患者は一人だけしか報告されていない。我々は、ウィリアムズ症候群と診断され、吸入テストによって成長ホルモン欠乏症と診断され、ヒト成長ホルモン療法に十分な反応をみせた女の乳児の症例を報告する。ヒト成長ホルモン療法を開始した生後12ヶ月の時点で身長は-4.2 SDS(標準偏差)だったが、4.25歳の時点では-0.8まで改善した。この患者の成長ホルモン欠乏症の病因は不明である。しかし、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)レベルの上昇とヒト成長ホルモン放出ホルモン投与に対するヒト成長ホルモンの反応は、下垂体ではなく視床下部に障害があることを示唆している。結論として、成長ホルモン欠乏症は多数のウィリアムズ症候群患者の成長障害の原因でる可能性が考えられ、その場合はヒト成長ホルモン療法が最終的な身長を改善させられる可能性が高い。
(2005年3月)
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