仙骨無形成症候群と凝固障害を併発したウィリアムズ症候群:症例報告



Williams-Beuren syndrome associated with caudal regression syndrome and coagulopathy-a case report.
Singer G, Schalamon J, Ainoedhofer H, Petek E, Kroisel PM, Hollwarth ME.
Department of Pediatric Surgery, Medical University of Graz, 8036 Graz, Austria.
J Pediatr Surg. 2005 Nov;40(11):e47-e50.

ウィリアムズ症候群は7q11.23領域の半接合を原因とする遺伝子病である。本報告では仙骨無形成症候群と2種類の凝固障害を併発したウィリアムズ症候群の女性患者について記述する。精神や成長の遅れ、特徴的な顔貌、循環器障害などの典型的な発達障害に加えて、第4と第5腰椎の癒合と仙骨尾部無形成が認められた。血液凝固検査において凝固因子XIとXIIの欠乏が明らかになった。MRIを使った血管造影を行ったところ、エラスチン遺伝子の欠失に起因する腹部大動脈とその主要な分枝に複数の狭窄が発見された。これまでの報告によると、HLXB9遺伝子の欠失が仙骨無形成症候群を原因となる可能性が示唆されているが、本患者では確認されていない。遺伝子疾患としてこれらの症状の組み合わせはこれまで報告されていない。

(2005年11月)



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