Williams症候群における成長障害について:最近経験した3例についての検討
齋 秀二、岩島 覚、中西 俊樹、藤澤 泰子、大関 武彦、長谷川 知子
共立菊川病院小児科、浜松医科大学小児科、静岡県立こども病院遺伝染色体科
Pharma Medica(The Review of medicine and pharmacology) 20巻12号 2002年 Page199
Williams症候群は妖精様顔貌、身体発育遅延、精神発達遅滞を呈する症候群であり、低身長を呈する疾患の1つとして診断上も重要であり、その病因として染色体7q11.23に存在するエラスチン遺伝子の欠失が明らかになってきた。しかしながらその低身長に対する治療法はいまだ確立しているとはいえない。今回は最近経験した3例について、その成長上の問題点を中心として検討した。
症例1:
乳児期に哺乳不良、体重増加不良、低身長、心雑音などを呈し、大動脈弁上部狭窄、肺動脈狭窄が確認されている。その後、県立こども病院にてWilliams症候群としてフォローアップされる。12歳4月に低身長について浜松医科大学小児科へ紹介される。身長135cm(-1.8SD)、体重27.5kgと低身長を認めた。恥毛2度、精巣容積5mlであり、LH 2.2、FSH 3.2、Testosterone 164、SM-C 570であり、思春期初期と診断された。その後、低身長について性腺抑制などの薬物療法を試みた。
Williams症候群において、成長障害は重要なものであり、適切な薬物療法で身長の予後を改善させうる可能性があり、3例について呈示する。
(2005年12月)
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