視線追従:どうして習得する(しない)のか?



Gaze following: why (not) learn it?

Triesch J, Teuscher C, Deak GO, Carlson E.
Department of Cognitive Science, University of California, San Diego, USA.
Dev Sci. 2006 Mar;9(2):125-47.

乳児と保護者間の相互作用にかかわる視線追従機能の出現に関する計算モデルを提案する。このモデルは、乳児が保護者の視線の方向を追うことによって周囲にある興味を引く物体や出来事が存在する場所を予測することを学ぶというアイデア(Moore & Corkum,1994)を基礎としている。この理論の精度を高めるために、視線追従機能の出現には基礎的な構造とメカニズムのセットが存在すれば十分であることを論証する。この基礎的セットは、乳児の知覚機能、選好・習慣・報酬強化学習(preferences, habituation and reward-driven learning)、乳児が興味を持ちそうなものを保護者が見つめる傾向がある構造的社会環境を含む。我々は乳児が適切な視線追従の出現に先立って基礎的セットの全要素が十分に確立されていることを調査した。一連のシミュレーションを行うことでこのモデルを評価し、これが典型的な発達を説明できることを示す。さらに、このモデルのパラメータを適切に変更することで視線追従機能の出現の遅れや障害を導出できることを示す。これは自閉症とウィリアムズ症候群という2種類の異なる発達障害からの知見が契機になっている。このモデルはテスト可能な一連の予測を提供する。さらに、視線追従に関する種間の相違に関する新たな理論的展望を開く。

(2006年2月)



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