知的障害者の側性。I - 21番染色体トリソミーとウィリアムズ症候群の患者は普通に発達した人とは異なっているのか?



Laterality in Persons with Intellectual Disability. I-Do Patients with Trisomy 21 and Williams-Beuren Syndrome Differ from Typically Developing Persons?

Carlier M, Stefanini S, Deruelle C, Volterra V, Doyen AL, Lamard C, de Portzamparc V, Vicari S, Fisch G.
Centre de Recherche PsyCLE, UFR PSE, Universite de Provence, 13621, Aix en Provence cedex 1, France.
Behav Genet. 2006 Apr 4; [Epub ahead of print]

21番染色体トリソミーとウィリアムズ症候群の人は脳に通常とは異なる異常を有しており、これが利き手(手の側性)と関係している可能性がある。我々は45人の21番染色体トリソミー患者と34人のウィリアムズ症候群患者、及び81人の正常に発達したこどもを評価した。利き手は、2回実施した15項目の課題と、ビショップのカード到達過大(Bishop's card-reaching task)を使って評価した。21番染色体トリソミーのグループは他の二つのグループより左利きが多いことが判明した。側性の不整合は正常に発達したグループに比べて、遺伝子異常の2つのグループのほうが多い。ビショップのテストにおいては、21番染色体トリソミーのグループもウィリアムズ症候群のグループも正常に発達したグループに比べると右利きの傾向が少ない。彼らのカードに到達する場合に中央交差領域に対しては異なる反応パターンを示すが、正常に発達したグループに比べてより多くに中央交差抑制はみせていない。手の異常な側性は特定の遺伝子疾患に関連するのであろうか、特に21番染色体トリソミーの患者には、また、いくつかの遺伝子のトリソミーには?

(2006年4月)



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