思春期早発症を合併したWilliams症候群の2男児例
水野 晴夫、今峰 浩貴、杉山 由賀里、水野 寛太郎
名古屋市立大学大学院医学研究科先天異常・新生児・小児医学分野
矢守 信昭 矢守こどもクリニック
Pharma Medica 第24巻 第6号、 174ページ (2006年)
【症例1】
【主訴】
【現病歴】
3歳時、特異顔貌、大動脈弁上狭窄、精神発達遅滞を認め、FISH法でWilliams症候群と診断。9歳より陰毛発生、10歳2ヵ月時、身長136.0cm(-0.2SD)、体重30.2Kg、成長率8.8cm/年。厚い口唇、腫れぼったい眼など妖精様顔貌あり。精巣容積12mL、pubic hair Tanner3度、ゴナドトロピン、テストステロンの上昇あり。骨年齢13歳1ヵ月。頭部MRIは異常なし。
【症例2】
【主訴】
【現病歴】
10歳より陰毛発生、中学に入ってから身長が伸びなくなった。18歳11ヵ月時、身長147.9cm(-4.0SD)、体重70.6Kg。血圧154〜182/93〜97mmHg、二次性徴は完成していた。心・大血管系には異常を認めず。頭部MRIは異常なし。関節拘縮、高血圧、多弁、思春期早発よりWilliams症候群を疑い、FISH法にて診断確定。
【考察】
Williams症候群に思春期早発症が合併しやすいことが報告されている。頭蓋内の器質的病変を介した機序は否定的で、Williams症候群に共通する遺伝子欠失と、思春期早発に関与する遺伝子の異常との関連が推測された。
(2006年11月)
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