ウィリアムズ症候群のこども及び青年における甲状腺形態学と無症状性の甲状腺機能低下症
資料番号3-X-69と同じような調査が同じイタリアで行われたようです。
(2007年1月)
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Thyroid Morphology and Subclinical Hypothyroidism in Children and Adolescents with Williams Syndrome.
Cambiaso P, Orazi C, Digilio MC, Loche S, Capolino R, Tozzi A, Faedda A, Cappa M.
Department of Pediatric Medicine, Endocrinology Unit and Genetic Unit, The Department of Diagnostic Imaging, and the Epidemiology Unit, Bambino Gesu Children's Hospital, IRRCS, Rome, Italy;
and the Department of Pediatric Endocrinology, Ospedale Regionale per le Microcitemie, Cagliari, Italy.
J Pediatr. 2007 Jan;150(1):62-65.
目的:
若いウィリアムズ症候群患者における甲状腺の形態や容積、及び機能の異常の有病率を調べる。
研究設計:
ウィリアムズ症候群患者92人(男児49人女児43人、年齢は0.2−17.2歳)が甲陽線刺激ホルモン(TSH)、fT3、fT4を測定することで甲状腺機能の検査を受けた。甲状腺の超音波検査は37人に対して実施した。甲状腺機能異常の検査として全員が甲状腺抗体(甲状腺過酸化酵素とチログロブリン)を測定した。
結果:
検査した患者にはまったく明白な甲状腺機能低下症は見られなかった。29人(31.5%)には無症状性の甲状腺機能低下症が認められる。甲状腺抗体は誰からも見つからなかった。無症状性の甲状腺機能低下症の有病率は年齢が低い患者ほど有意に高い。超音波検査の結果、甲状腺の形態や容積の異常は67.5%の患者に認められ、異常が認められる頻度は年齢が高いほど高くなる。
結論:
無症状性の甲状腺機能低下症は若いウィリアムズ症候群患者で頻度が高いものの、ほとんど診断されていない。10歳以上のウィリアムズ症候群の大部分は、甲状腺が正常であるか甲状腺の形成異常であるかにかかわらず、甲状腺機能は正常である。これらの結果から、我々はウィリアムズ症候群患者に対しては、年一回定期的に甲状腺機能の検査を行うことと、最低一度は超音波検査を行うことを勧める。治療は明白な甲状腺機能低下症の患者、あるいは甲状腺機能の悪化が進行する徴候を見せている患者だけに限るべきである。
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