ウィリアムズ症候群:臨床診断用のスコアリング法の開発
Williams Syndrome: development of a new scoring system for clinical diagnosis.
Sugayama SM, Leone C, Chauffaille MD, Okay TS, Kim CA.
Child's Institute, Medical School, Sao Paulo University, Sao Paulo, SP, Brazil.
Clinics. 2007 00;62(2):159-166.
目的:
ウィリアムズ症候群の診断を行う小児科医の手助けを行うために臨床症状にスコアリング法を開発し、7q11.23領域の欠失を調べるFISH検査法の必要性を正確に明示する。
方法:
臨床症状からウィリアムズ症候群の疑いがある患者20人にFISH検査法を実施した。これまで発表されている文献から11本の論文を選んだ。そこにはFISH検査法で陽性と陰性2つの患者グループがある。42種類の臨床特徴を文献中の値と比較し、メタ分析法(meta-analysis)を用いて、どの特徴が実際の患者(例えば、欠失との関連)と関連があるかを調査した。Fisherの異質性検定(2-tailed Fisher exact test)を用いて、本研究に参加したFISH検査陽性と陰性の患者それぞれにみられる個々の臨床特徴の発生頻度を文献に記載された患者と比較できるようにした。我々は臨床症状とその症状が有意にFISH検査の陽性と関連することに基づくスコアリング法を開発した。我々の患者のデータから得られた平均と標準偏差を使って、確定診断を行う際にFISH検査を行うかどうかを判断するカットオフスコア点を確定させた。
結果:
17人の患者がFISH検査陽性で、3人は陰性であった。FISH検査陽性の患者にみられる特徴的な症状は「特徴的な顔貌、出生時の低体重、摂食困難、便秘、大動脈弁上狭窄、精神遅滞、友好的な正確」である。20人の患者にみられたスコア点のばらつきは19点から28点で、平均23.3点であり、可能性のある最大点は31点であった。FISH検査を行うかどうかを判断するカットオフスコア点は20点であった。
結果:
我々が開発したスコアリング法は内科医が臨床症状だけを利用して確実にウィリアムズ症候群の診断を行える患者と、正確な診断を下すためにはFISH検査を受ける必要がある患者を区別することを可能にする。
(2007年6月)
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