ウィリアムズ症候群成人における歩行機能



Gaifunction in adults with Williams syndrome.

Hocking DR, Rinehart NJ, McGinley JL, Bradshaw JL.
Centre for Developmental Psychiatry and Psychology, School of Psychology, Psychiatry and Psychological Medicine, Monash University, Building 1, 270 Ferntree Gully Road, Notting Hill, VIC, 3168, Australia, Darren.Hocking@med.monash.edu.au.
Exp Brain Res. 2008 Oct 8. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群(遺伝子異常を原因とする希少神経発達障害)の歩行異常に関する初期の神経学的報告は存在するものの、この症候群に関する歩行機能障害は体系的に調査されていない。本研究はウィリアムズ症候群成人と対照群に対して、歩行マシン(GAITRite walkway)上を自分で選択したゆっくり、適度な、速いという3段階の速度で歩くという方法で、歩行の特徴を調査した。ウィリアムズ症候群グループは、歩行速度が遅く歩幅は短い、また、速度は早くなるにつれて、不釣合いに歩調(cadence:一定時間内の歩数)が増加するという運動不足的歩行を呈した。また、ウィリアムズ症候群グループは歩幅の変化量も増加し、不安定な姿勢をカバーする方法としてのバリエーションに富んだ歩行パターンを示す。ウィリアムズ症候群グループにおいては、動作性知能指数と歩幅は有意な相関を示した。この調査は小さな集団で行ったことから予備試験として捉えるべきでものであるが、この調査結果はウィリアムズ症候群の歩行機能に関する神経的基盤を理解するための暗示を含んでいる。

(2008年10月)



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