胆道閉鎖症を合併したWilliams症候群の一例



飯尾 賢治1)、赤塚 寛1)、上岡 克彦1)、上村 治2)、岩佐 充二2)
1) 名古屋第2赤十字病院小児外科
2)  同 小児科
日本小児外科学会雑誌 第36巻2号(2000年4月)167ページ

今回私どもは胆道閉鎖症を合併したWilliams症候群の1例を経験した。症例は初診時1か月の男児で、胆道閉鎖症にて日齢49に根治術が施行された。減黄不良のために日齢73に再根治術がなされ胆汁の排泄は認められるものの黄疸は持続し、生後4か月に退院した。入院中に顔貌異常に気付かれ、染色体検査の結果は正常とされた。1歳5か月時に慢性肝不全にて再入院した。体重は5.9kgと著名な発達障害がみられた。妖精様顔貌によりWilliams症候群が疑われ、再度染色体検査をFISH法により施行されて確定された。経過中に高カルシウム血症が出現した。肝移植は困難と判断され、肝不全のために1歳9か月で死亡した。Williams症候群に胆道閉鎖症を合併した報告はなく、管理上の問題点について考察する。

(2009年5月)



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