ウィリアムス症候群とその会について
西岡 研哉(大津赤十字病院小児科部長)
障害者問題研究 第25巻第1号 1997年
ウィリアムス症候群は、精神運動発達の遅れ・特徴的な顔つき・大動脈弁上狭窄を特徴と
する疾患である。2−3万の出生に1人発生するとされている。知能障害は、軽症から重
症までさまざまと言われているが、現場の印象としては軽症と考えている。微細・粗大運
動の障害があり、そのために歩行開始が遅れ、性格は、陽気で社交的でありおしゃべりで
あるが、同じ言葉の繰り返しが多い。聴覚から入る言葉は理解しやすいと言われている。
注意の集中が困難な子どもが多い。以上を考慮して、患児の教育を考えていく必要性があ
る。普通学校での個別指導や養護学級、養護学校での教育も必要となる。1994年にウィリ
アムス症候群の会が設立されて、活発に教育や育児の問題点に関して親や小児科医や教師
の間で意見の交換がなされている。高校卒業後の職業訓練についても検討が必要である。
ウィリアムス症候群に合併する大動脈弁上狭窄は、軽症から重症までいろいろである。
重症の場合には、突然死の危険性があり、手術を要する。手術は安全に施行可能である。
中等症の大動脈弁上狭窄は進行するので、心臓エコー検査による経過観察が必要である。
高血圧を合併しやすいと言われているので、成人期に達しても注意深く小児循環器医師が
フォローすることが必要である。
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この文献の内容の一部は、「ウイリアムス ノート」の中の下記資料と関連しています。
3-3-02 ウイリアムス症候群に合併する心臓病の診断と日常生活の管理について
(1998年1月)
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