ウィリアムズ症候群の成人の生活状況:239家族の調査結果
Outcome in adult life for people with Williams syndrome - results from a survey of 239 families.
Howlin P, Udwin O.
St George's University of London, London, UK.
J Intellect Disabil Res. 2006 Feb;50(Pt 2):151-60.
概略背景:
ウィリアムズ症候群の表現型や遺伝子型についてはさまざまな研究が行われているが、長期間にわたる予後を対象とした研究は比較的少ない。ウィリアムズ症候群の成人に対するより詳しい研究の予備調査として、成人の生活に関する能力や困難を調べる目的で両親あての調査票を英国ウィリアムズ症候群財団のメンバーに発送した。
方法:
18歳以上の息子あるいは娘を持つ英国ウィリアムズ症候群財団のメンバーに質問表を郵送した。質問の内容には、ウィリアムズ症候群の成人の身体的・精神的健康面と、教育・就職状況・自助能力や自立能力が含まれている。
結果:
290通の調査票を発送し、239通(回収率82%)が返ってきた。このグループの調査結果の中で目を引くデータは、身体的健康面の問題が高い割合で見られること、年齢とともに精神的健康面の問題発生率が上昇することである。さらに両親は適切な援助と世話を受けられないことに高い不安を示している。教育や就職の達成状況は概して悪く、自助能力は比較的劣っている。
討論:
今回の調査結果によれば、成人障害者への福祉サービスを提供している専門家の間でウィリアムズ症候群のような病気に関するよりよい理解が必要であることが、そして健康面・教育面・社会面に対する適切な援助が必要であることが浮き彫りになった。
(2006年1月)
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