ウィリアムズ症候群により発達遅延のある患児への関わり
−日課表を取り入れた日常生活リズム確立への試み−



足立翔、坂出奈保美、上田千香子、田中舞、国森佳子
鳥取医療センター重症心身障害児(者)病棟
中国四国地区国立病院機構・国立療養所看護研究学会誌 VOL.10 80-83ページ 2014

ウィリアムズ症候群は、染色体7q11.23領域の微細欠失により様々な臨床症状を伴う症候群である。ほとんどの例に大動脈弁上狭窄、精神発達遅滞、運動機能障害などを認めるが、症例により合併症の程度にばらつきがあり、重症度にも個人差がある。またウィリアムズ症候群の患者の言語発達は遅れ、大人になっても言語の欠落を認める。

B病棟にはウィリアムズ症候群のA君が入院しているが、日課が決まっておらず、患児に対し統一した関わりが出来ていなかった。そのためA君も、今は抱っこがしてもらえる時間、今は自分で遊ぶ時間という事がわからず、人を見たら抱っこや歩行がしたいと言い、自分の欲求が満たされないとぐずり泣きする事が多かった。しかし、B病棟はNICU後方支援病棟としての役割を担っており、同室者はベッド上生活の人工呼吸器使用患者が多く、今の環境ではすぐに欲求に応えることは難しい。

そこで、日課表を取り入れて、生活リズムを整えられるように介入を試みた。その結果、日課表が定着して患児のぐずりが軽減したので経過を報告する。

(2015年9月)



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