ハンガリー人のウィリアムズ症候群児における語形パターンと規則に関する討議



Morphological patterns in Hungarian children with Williams syndrome and the rule debates.

Pleh C, Lukacs A, Racsmany M.
Budapest University of Technology and Economics, Center for Cognitive Science, Sztoczek utca, 2 H-1111, Budapest, Hungary
Brain Lang. 2003 Sep;86(3):377-83.

稀少神経形成異常病の一種であるウィリアムズ症候群はこの10年間ずっと認知心理学研究の先頭だった。ハンガリー人のウィリアムズ症候群児14人を対象とした文法発達に関する研究を紹介する。定型語形と不規則語形に関する課題検査と数唱範囲(digit span)調査を行った。対格形と複数形に関する課題の成績は要素の出現回数には無関係であるハンガリー語の特徴通りであったが、不規則な語尾変形においては表出がより困難であり、ウィリアムズ症候群児は定型変化をさせることが多い。結果として文法ルールと記憶されている語彙との間に分離がみられる。語形課題に関する総合成績は音韻短期記憶容量と関連している。数唱範囲は広い被験者のほうが両課題とも成績がよい。音韻短期記憶と言語成績の間の驚くべき緊密な連携に関する詳細はさらに調査をする必要がある。

(2003年9月)



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