ウィリアムズ症候群における空間に関する用語理解:強い領域と弱い領域の間の相互作用に関する証拠



Comprehension of spatial language terms in Williams syndrome: evidence for an interaction between domains of strength and weakness.

Phillips CE, Jarrold C, Baddeley AD, Grant J, Karmiloff-Smith A.
Centre for the Study of Memory and Learning, Department of Experimental Psychology, University of Bristol, UK.
Cortex. 2004 Feb;40(1):85-101.

ウィリアムズ症候群の患者は、言語能力に比較的優れている一方で視空間認知能力は劣っているという独特な神経心理学的なプロフィールを示す。空間的要素を含んだ話し言葉の理解度を評価する方法で、ウィリアムズ症候群におけるこれら2つの領域間の相互作用を調査した2つの報告を紹介する。最初の調査は、文法理解検査(Test for Reception of Grammar:Bishop 1983)を、32人のウィリアムズ症候群患者と、検査における間違いの総数を一致させた対照群に対して行った。ウィリアムズ症候群の被験者は空間的な前置詞を含む文章の理解に問題があり、対照群と比較した場合、これらの項目におかる間違いの数が顕著に多い。2番目の研究は、15人のウィリアムズ症候群患者と語彙能力を一致させた対照群に対して、空間的な要素と非空間的な要素を含む文章の理解を詳細に調べている。やはり、ウィリアムズ症候群の被験者は空間的な単語を含む話し言葉の理解に問題があった。これとは対照的に、非空間的な比較(**より明るい、**より暗い)の理解を検査する記述テストを除けば、空間的な要素を含まない発話の理解には問題はない。これらの結果によれば、ウィリアムズ症候群の患者が有している空間的な障害は、特定の環境下における言語理解を阻害する可能性がある。さらに、空間認知と言語理解の相互関係がもっと一般的であるという可能性にも光を投げかけている。

(2004年4月)



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