ウィリアムズ症候群における社会的相互作用障害と不適切な会話



Social interaction deficits and conversational inadequacy in Williams syndrome

Vesna Stojanovik,
School of Psychology and Clinical Language Sciences, University of Reading, Early Gate, Reading RG6 6AL, UK
Journal of Neurolinguistics, Volume 19, Issue 2 , March 2006, Pages 157-173

ウィリアムズ症候群患者のコミュニケーション能力に関する研究は、この能力が比較的強いという研究者と弱点だという研究者がいて結論がはっきりしていない。本研究の目的はウィリアムズ症候群の子どもグループの社会的相互作用を調査し、特異的言語発達障害の子どもグループ及び正常な発達をしている子どもグループと比較することである。半構造的会話を指導し、100から150の発話を選択して構造交換(exchange structure)・順序確保・情報移動・不適切な会話などを分析した。統計解析を行った結果、ウィリアムズ症候群の子どもたちは、情報や説明を求める対話者の要求に対して構造交換や適切に応答することに困難があった。対話者に対して意味の解釈を伝えることや、十分な情報を提供することにも有意な障害がある。特異的言語発達障害の子どもと同程度の言語能力を有しているにもかかわらず、ウィリアムズ症候群の子どもたちは異なる社会的相互作用技能をもっている。これは彼らが非典型的な発達経路に従うこと、彼らの神経言語学的プロフィールが生得的モジュール性を直接指示しいないことを示唆している。

(2006年2月)



目次に戻る