ウィリアムズ症候群における言語的不均一性



Linguistic heterogeneity in Williams syndrome.

Stojanovik V, Perkins M, Howard S.
School of Linguistics and Applied Language Studies, University of Reading, UK.
Clin Linguist Phon. 2006 Sep;20(7):547-52.

ウィリアムズ症候群は7番染色体に発生した欠失を原因とする希少遺伝子病である。数多くの研究でウィリアムズ症候群の患者は非言語的能力と比較して言語的プロフィールに優れていることが示されているが、そのプロフィールについては多くの研究で論争が続いていることからその証拠は決定的ではない。ウィリアムズ症候群に関する研究の大多数は、ウィリアムズ症候群は一つの均質的な言語的プロフィールを有することを仮定して様々な理論的観点を構築している。本研究は複数の標準的言語検査や会話状況における5人のウィリアムズ症候群被験者の言語プロフィールを検査した。その結果、言語ドメインの全側面において実質的にばらついた成績が得られた。これは言語的にみた場合ウィリアムズ症候群にはある程度の不均一性があるという仮説を支持しており、言語獲得の理論的説明やモジュール性の議論を行う際に不均一性を考慮に入れるべきである。

(2006年11月)



目次に戻る