ウィリアムズ症候群児のコミュニケーション特性



2007 年度 京都大学霊長類研究所 共同利用研究会
社会的認知における階層的処理過程の比較認知発達
プログラム・要旨集
日時:2007年8月31日〜9月1日 場所:京大会館
浅田晃佑(京都大・文)、富和清隆(京都大・医)、岡田眞子(大阪市総合医療センター)、板倉昭二(京都大・文)

ウィリアムズ症候群(WS)は、発生頻度の稀な神経発達障害である。WS 患者は、積極的に人と関わり、語彙や文法などの言語能力にそれほど障害を示さず流暢に話すものの、日常生活のコミュニケーションに困難を抱えることが知られている。そのような問題に関わる要因を検討するため、本研究では、相手に誤解された時にWS 児がどのように反応するか実験し、発話分析を行った。結果は、WS 児は、全体として健常児とそれほど発話数は変わらないものの、相手の誤解を訂正するような発話が少ないことが明らかになった。本研究の結果を、他者理解(社会的認知)と発話の機能・動機というコミュニケーションの理解・産出両側面から議論する。

(2007年10月)



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