ウィリアムズ症候群の子どもにおける言語心理学的能力
Psycholinguistic abilities of children with Williams syndrome.
Rossi NF, Garayzabal Heinze E, Giacheti CM, Goncalves OF, Sampaio A.
Department of Speech-Language Pathology, University Estadual Paulista, Marilia, Sao Paulo, Brazil. nataliafreitasrossi@yahoo.com.br
Res Dev Disabil. 2012 May;33(3):819-24. Epub 2012 Jan 8.
本研究の目的は、イリノイ言語心理学検査(Illinois Test of Psycholinguistic Abilities (ITPA))を利用してウィリアムズ症候群の子どもと普通に発達した子供の言語心理学的能力を調べることである。ウィリアムズ症候群グループ(N=20、平均年齢=8.5歳、標準偏差=1.62)と普通に発達した子供の2つのグループ、すなわち精神年齢(精神年齢グループ、N=20、平均年齢=4.92歳、標準偏差=1.14)と歴年齢(歴年齢グループ、N=19、平均年齢=8.35歳、標準偏差=3.07)に対して行なったイリノイ言語心理学検査の成績を分析した。全体として、グループ内分析ではウィリアムズ症候群患者は視覚感知(visual reception)や視覚関連のサブテストの成績が他の課題に比較して高い。グループ間を比較したところ、普通に発達した子供と比較してイリノイ言語心理学検査のサブテストの全てにおいて、ウィリアムズ症候群患者の成績は低いことが観察された。さらに、感知とグループの間の関連がウィリアムズ症候群グループでのみみられた。視覚感知サブテストの成績が聴覚感知サブテストの成績より優れていた。本研究の成果は、ウィリアムズ症候群の子どもの教育介入プログラムの開発に貢献する。
(2012年5月)
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