知的障害児の言語学習に対する分布手がかり
Distributional Cues to Language Learning in Children With Intellectual Disabilities.
Kover ST(1).
Author information:
(1)Department of Speech and Hearing Sciences, University of Washington, Seattle.
Lang Speech Hear Serv Sch. 2018 Aug 14;49(3S):653-667. doi:10.1044/2018_LSHSS-STLT1-17-0128.
目的:
正常な発達をした場合、分布手がかり(入力におけるパターン)は言語獲得プロセスに関係している。統計的かつ潜在的な学習はこれらの手がかりの利用を示す。知的障害児においては、分布手がかりが言語学習メカニズムにどの程度組み込まれているかに関してはほとんど解っていない。
手法:
このチュートリアルは様々な原因によって発生している知的障害に関係している言語障害を呈する子どもの言語学習プロセスに関して判明していることを呈示する。知的障害には、ウィリアムズ症候群、自閉症スペクトラム障害、ダウン症候群、脆弱X症候群が含まれる。
結果:
言語学習に関連している分布の手がかりには幅広い視点が必要である。すなわち統計的学習(例:遷移確率(transitional probabilities))や語彙獲得を支援するその他のパターン(音のパターンに対する感受性、状況交差的単語学習(cross-situational word learning))、あるいは文法発達に関連するもの(隣接してない依存関係(nonadjacent dependencies))などである。
結論:
文献にみられる決定的な差異を明らかにする。この分野の研究は特にダウン症候群と脆弱X症候群に限られている。知的障害児への治療介入において考慮に入れるべき学習理論に関する今後の方向性を検討する。その際には言語入力重要性に焦点を当てる。
(2018年8月)
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