ウイリアム症候群の神経発達学的分析と治療



茂原 直子
南大阪療育園(作業療法士)
ボバースジャーナル 第22巻 第2号、1999年12月、154-158ページ

1.はじめに

心臓病の一種、大動脈弁上狭窄症(Supervalvular Aortic Stenosis;SVAS)の約半数はある症候群を伴い、大動脈弁上狭窄症候群、(SVA)と呼ばれている。中でも7番目の染色体のエラスチン遺伝子の欠損による先天性の症候群がウィリアム症候群である。

ウイリアム症候群は、特有の顔貌や体型、特徴的な歩容を示すとともに、行動上の問題と言語発達に課題を示す。

今回、運動発達の遅れから肢体不自由児施設へ紹介され、母子入園した1歳のウイリアム症候群男児に作業療法を行う機会を得た。

知的発達遅滞を主要課題とする症例への神経発達学的分析と早期治療の内容、知的障害児通園施設での対応方針の違いによる母親の困惑から学んだことを報告する。

(2006年9月)



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