知的障害との関連性の高い遺伝性疾患のある児童生徒の在籍状況
―特別支援学校を対象とした調査より―
加藤 美朗
関西福祉科学大学教育学部
嶋ア まゆみ
兵庫教育大学学校教育研究科
蓑ア 浩史
駿河台大学心理カウンセリングセンター|広島修道大学健康科学部(現所属)Counseling Center, Surugadai University|Present affiliation:
特殊教育学研究 58(4), 245-255, 2021
一般社団法人 日本特殊教育学会
本研究は、わが国の視覚障害と聴覚障害単独校を除く特別支援学校に在籍する、知的障害との関連性の高い遺伝性疾患のある児童生徒の在籍状況を明らかにすることを目的として行った。結果は412校から回答が得られ、総児童生徒数53,688名のうちの13.3%が知的障害との関連性の高い遺伝性疾患の診断を併せもち、知的障害校ではその割合は14.3%であった。疾患別人数ではダウン症候群が最も多く、次いでアンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、ウィリアムズ症候群の順であった。今後は、本研究の結果を参考に遺伝性疾患の教育的支援に関するより効果的な情報提供に努めるとともに、これらの症候群の行動特性に関する教員の知識やニーズについて明らかにしていく必要がある。
(2022年3月)
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